進行

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「お前…分かってるな」 嬉しそうに頬を緩めた父親。 その言葉に…苦しくなる。 「やっとマトモなの、来たな」 ニヤリと笑うと徐に立ち上がり、母親の持って来たお絞りを受け取る。 「おい、山中。泣かすなよ」 それだけ言うと、身を翻し扉へと向かう。 「はい。ありがとうございます」 ふん、好きにしろ。と、ボソリと呟くとお絞りを持ったままリビングを出て行った。 名前で呼んでくれたって事は… 少しは気に入られた…かな? 「聖さん、大丈夫?」 里沙が冷たいお絞りを渡してくれた。 「ごめんなさいね山中さん、お父さんに付き合って貰っちゃって」 「いえ…大丈夫です。楽しかったですから」 冷たいお絞りを頬に当てた。 火照る顔にちょうど心地良くて。 これ、何で帰ればいいんだろ。 だなんて冷静に思ったり。 「里沙、お部屋で少し休んでもらいなさい」 「あ、うん。そうだね」 「すみません、気を遣わせてしまって」 「良いのよ。お父さんが呑ませたんだから仕方ないもの」 ニコっと微笑む母親。 「聖さん、こっち」 「悪いね」 里沙に連れられて部屋へ向かう。
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