Epilogu

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 ぴたりと無表情になり、何事も無かったかのように立ち上がると、機械的に彼は部屋に在るドアの一つを開ける。  「トイレは……さすがに、見られているみたいで、嫌だなあ」  便器を見ながら苦笑して、ドアを閉めた。  「そうだ! 壁を壊して、隣の部屋と繋げればいいのか!」  その場合、勿論住人は殺さなければならない。  「でも、此処から追い出されたら嫌だし……」  うーん、と彼は天井を見上げ、考える。  はっとして、彼は歪な笑顔を浮かべた。  顔半分は泣き出しそうで、もう半分は満面の笑みだ。  「そっか……オレは、オレはなんて馬鹿なんだ!」  何故、今まで思いつかなかったのか、  「コレが戦闘なら! 死んでいたよね! ね」  彼は狂喜乱舞し、くるくると廻りながら床に倒れ、仰向けに大の字を描き、  「――天井が、あるじゃないか!」  幸せ過ぎて、  昼時までずっと笑い続けたのだった。
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