第一章「幼なじみと自分の行方」

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目が覚めると、朝の8時を回っていた。 普段ならまだ寝ていられるのだが、今日は違う。 何故ならば今日は高校の入学式だ。 一瞬、思考が開始するまで間が空いた。その後慌てて着替え朝食を口にせず家を飛び出す。 学校は電車で30分程の所にある舞踏学園高等学校というところだ。 幸いにも入学式は9時からそれまでは学校紹介などがあるらしい。 間に合うと過信していると。急に電車が止まる。 『誠に申し訳ございませんが~只今電源系統に異常が見つかったため1時間程運行を停止させて頂いております』 終わった。終わりました。終わったのです。 時計を見ると8時15分絶対に間に合わない。 ー1時間後ー 勿論、入学式は遅刻に終わった。 その後の学科ごとに分かれクラス分けが発表された。 僕は普通科1年A組になった。 生憎、この学校は滑り止めで受けた私立高校で遠いからという理由で中学の時の友人はいない。 だからこそ出来ることもあるのだが。 そうして昼まで各クラスの担任の説明を受け昼休みを終え部活見学会が行われる。 部活自体は入学決定の頃からか入部届けは出せるので何人か決めている人もいるようだった。 僕は野球部を志望しているが入部届けを出した訳ではない 。 そんなこんなで今日は体験参加にすることにした。 ー2時間後ー 部活見学会1日目が終わり、教室に荷物を取りに行くと道に迷ってしまった。 適当に歩いていると部活棟と書かれた看板があった。 (ここどこだよ…) そこの時目に映ったのは一つの部室の看板。 ゲーム研究部 少し目を疑ったがやはりそこにはあった。 ゲームそのものは人並みに得意だし好きだ。 そこで少し部室を覗く。 部室には4人がそれぞれPCディスプレイに向かったり液晶テレビに向かったりしてゲームをしている。 それだけならば問題は無かったがその中の一人が着替えをしていた。 携帯型端末のものをやっていた1人がドアの不自然な動きに気づき歩み寄ってくる。 ドアを開けられる。 「お前何やってんの?」 今思えば運命だったのかもしれない。 野球に打ち込むむさ苦しいことをしていたかもしれない僕を変える運命だったのかもしれない。
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