夢と現実

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「ねぇ、シオ」 少し低いトーンで呼ばれて顔を上げる。 そこには朝日に照らされて、少し困ったように笑う恭の顔。 「昨日は――」 その単語にゴクリと唾を飲み込む。 「ごめん」 太陽は輝いてる。 恭は笑顔のままだ。 空調だって完璧で心地よい。 なのに、 なんて残酷な言葉。 「……な、んで?」 謝るの? どうして? 「今からちゃんと兄妹(きょうだい)に戻ろう?」 心臓が、 止まるかと思った――。
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