315人が本棚に入れています
本棚に追加
「ねぇ、シオ」
少し低いトーンで呼ばれて顔を上げる。
そこには朝日に照らされて、少し困ったように笑う恭の顔。
「昨日は――」
その単語にゴクリと唾を飲み込む。
「ごめん」
太陽は輝いてる。
恭は笑顔のままだ。
空調だって完璧で心地よい。
なのに、
なんて残酷な言葉。
「……な、んで?」
謝るの?
どうして?
「今からちゃんと兄妹(きょうだい)に戻ろう?」
心臓が、
止まるかと思った――。
最初のコメントを投稿しよう!