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 田んぼ。田んぼ。田んぼ。  見渡すかぎり田んぼが続くあぜ道を自転車で走りぬける。  どこまで行っても変化のない景色は、もしかしたらこの村全体に緑の絨毯が敷かれているのではないか、というおかしな考えをもってしまうほどだ。  それに加えてこの暑さである。 「早くクーラーがきいていて、堀内先輩がいる図書館に行かねば、死ぬ。」  これも恋の試練というやつか。  真夏の太陽が容赦なく襲う。北風と太陽が私を試しているのであれば、是非とも北風さんに来ていただきたいところである。 「なんの、これしき。この先に堀内先輩がいるのだ。進め、進むんだ由香。」  実際には先輩がいるかどうかなんてわからない。しかし、すでに私の頭のなかは先輩と図書館で会ったらどう話しかけようかという考えで埋め尽くされていた。  そのため、どこを通って誰とすれ違ったのか気にもせずに駅に到着し、電車に乗った。
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