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胸ポケットに手を入れ、私はあるものを取り出し、それをメアリーに向ける。
「えっ?なにそれ。プッ…アハハハハハハハ…」
子供のように笑い出し、私の持っているものを指差し馬鹿にする。
安全装置は外れてる。あとは標準を合わせ、引き金を引く。
「アユミには撃てないわ。絶対に」
「そうかもしれない」
「だって、親友だった身体を撃ち抜くのよ?それに、あの二人だってメアリーが指示すれば簡単に殺せられる」
手からは大量の汗が吹き出るものの、感情を殺し、ただ標準だけを合わせた。
メアリーは右手を挙げ、振るか振らないかで私に見せつけ焦らしている。
「い~い~のぉ~?この手下げたら、二人とも死んじゃうよ~」
「ねぇ。質問させて」
「んっ?」
「あなたが、最後のエルラック家でいいのね?」
そう質問した時、メアリーは右足で強く床を叩き、体育館を響かせた。
「じれったいなぁ…そうだっつってんだろうがぁぁ!!いいよ…撃てよ。撃てるもんなやってみろよっ!!」
さっきまでの子供ようなの口調とは違い、ドスの利いた声で感情を剥き出しにする。
そんな脅しに、少し怯えながらも慎重に標準を合わせ続ける。
そして…
「殺れぇよぉぉぉぉぉ!!!」
メアリーはそう叫びながら挙げていた手を、一気に振り下ろした瞬間…
一発の銃声音が、体育館中を包みこんだ。
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