隣人のシグナル

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「例えば今学校が何者かにジャックされたとしてさ」 「学校をジャックて」 「その時に男達の持つ銃を見ながら、自分の身の心配だけをしてるっていうのは、男としていかんと思うわけだ」 「ほう」 「彼女ほしーなー」 「……脈絡はどこに」 「ジャックされた時に真っ先に守りたいと思う対象が欲しいってことだよ」 「クラスメートでいいじゃん」 「なんで俺が恋人でもない一般ピーポー助けなきゃならんのですか」 「一般ピーポーて」 クラスメートを一般ピーポー呼ばわりて。 なんて、この恋に恋する男に言っても仕方の無いことだろうが。 「じゃあ私でいいじゃん。私を守れば、藤くん。腐っても女だし」 「わー嬉しいなー。鴻野さんを守らせていただくとかほんと恐縮もんだなー。光栄だなー」 「…………」 「あ、鴻野は腐ってないよ。自分で自分をおとしめない方がいいんじゃない?」 「どうも」 「彼女ほしーなー」 机にこてんと頭をぶっつけて、彼女が欲しいと喚く藤くん。 首細っ。 つか白っ。 襟足がはねてる。 子供か。
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