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唇が離れて、すぐに耳たぶに心地いい痛みが走る。
耳はだめなんです――。
息はできるようになったのに、熱い息を耳にかけられて
苦しくなる――。
何かがもどかしくて。
オオカミさんにしがみついてしまう。
「雫、ちゃんと感じて?」
耳元で囁かれて、敏感になってるせいで声が漏れそうになる。
――感じてる。
苦しいくらい、オオカミさんのこと。
首を這う舌の感触に震えてるのも、オオカミさんは気づいてるはずなのに。
チュッと音をたてて首から胸元まで移動していく。
弄ばれるように胸の中心に舌が絡みつく。
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