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*――オオカミ――*
「雫、大丈夫?」
髪を撫でて訊ねると、腕の中で休んでいた赤ずきんが顔を上げる。
「はい……」
その瞳が潤んで見える。
「オオカミさん、今日――……」
何かを言いかけた赤ずきんの顔を覗き込むと、黙ってしまった。
「ん?」
「何でもないです!」
バサッと布団の中に潜り込んだ赤ずきん。
「何?」
気になるだろ。
「何でもないです!」
同じことを布団の中から言われる。
いや――、気になるだろ。
ああ……もしかして。
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