W.E.1年ー世界が光り輝いた日

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 それぞれの班は一つの大きな隊に所属していて、拠点の移動や会議はその隊ごとに行なわれ、任務によって隊の中から複数の班でチームを作って活動していた。  ぼくたちの隊はラヒアという隣国との国境沿いにある街に駐留していて、その日は朝から軍事会議を行なっていた。軍事会議と言ってもぼくのような下っ端は、ただ兵舎に待機しているだけで、会議は上の立場の方々が別室で行なっていた。 「なあ、ソロン。この後ヒマか?」とカートが話しかけてきた。「会議が終わったら、ご飯でも食おうぜ。奢るよ」「きみが奢ってくれるの? 学生の時とは立場が逆だな」とぼくは彼をからかった。「もうあの頃は違うさ。俺も一端の剣士だからな」「エスタリア軍の若手の中で一番強いんだろ」とおだてると、「まあ、上には上が居るけどな」と彼は照れた。
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