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会議は特に何事も無く終わり、ぼくとカートは昼食を摂る為に外へ出た。街道の脇には木々が植えられていて、枝に咲いた花々は風によって舞い落ちてきていた。
「なんだか、今日はよく鳥が飛んでるな」とカートが空を見上げながら言った。その言葉につられてぼくも空を見上げると、鳥の群れが雲ひとつない青空の中を、何かから逃げ出すかのように南の方に向かって飛んでいた。「たしかに、飛んでいるね」とぼくが答えると、「案山子でも動き出したのかな?」と彼は言った。「まさか」とぼくが声も無く笑った、その瞬間、空に雷のような閃光が走った。その数秒後、爆音が鳴り響き、地震のように地面が揺れた。
「なんだよ?」と彼は叫び、ぼくは驚きのあまり言葉が出なかった。建物の中に居た人々が通りに飛び出してきて、辺りを見回していた。
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