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「カート、ソロン」と兵舎の方から、呆然としているぼくらの方へ声がした。振り向くと、副隊長がぼくらの方に駆け寄ってきた。「任務だ。ラヒアに入るぞ」と副隊長は言った。「国境を越えるんですか? 許可は?」とぼくが尋ねると、「そんな状況じゃないんだよ」と副隊長は怒鳴った。
「一体、何が起こったんですか?」と兵舎に駆け足で戻りながら、カートは副隊長に尋ねた。「さあな。詳しくは知らんが、新しい兵器を使ったらしい」と副隊長は答えた。「兵器? どこがそんなものを?」とぼくは驚いて尋ねた。「どこが、だって?」副隊長は冷たく笑い、「我々の国だよ」と苛立たしそうに言った。
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