第31話

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 踵を返した霙の背中に思わず抱きつこうとしたが、パッと振り返られ、両手は後ろへとしまった。 「……今悪口言ったでしょ?」 「とんでもございません、お嬢様301号室へご案内いたします!」 慌てて執事を装い、誤魔化した。 ――ふぅ~。霙で遊んでいる場合ではない。秋雄の命を確かめなければ!!!! 手術室は2階にあった。直ぐ側の階段から上がれば、301号室は即見つかる。 察しの良い霙は階段を見つけ、素早くスキップで駆け上がった。 「絵恋さん、凄く喜んだろうなぁ~……兄弟って、喧嘩もするかも知れないけど、やっぱいいよね」
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