はじまり

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暫くしてから政哉が下駄箱に走って来た。 「…ハァッハァ……遅れてごめんっ…て、他の奴らは?」 「そいつらは先に行った。全員で待ってると場所取られるだろ?」 「そっか…」 余程急いできたのか、額からは汗が滲んでおり、頬が少し赤く火照っていた。 「政哉、汗出てるぞ?」 「あ、ホントだ…」 前髪を上げ、服の袖で汗を拭った。 「っ!?」 その仕草が何故か色っぽく見えてしまって、瞬間的に顔を逸らしてしまった。 男のくせして女子みたいな白い肌と赤い頬、たるんとした目、口から出る吐息のすべてが色っぽい。 男相手に何思ってんだと思ったが、何で小六がそんなに色気あるんだよ、とも思った。 「?? どうしたの?」 「っぅ…」 顔を逸らした俺を変に思ったのか、顔を覗きこんできた。そのため上目遣いとなってしった。 あれ?上目遣いってこんなにクるものなのか?
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