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今宵、一人の青年の命が絶たれようとしていた。
未来「亮賀…」
風間亮賀(りょうが)はどこにでもいる大学1年生だ。一つ違う所があるとすれば、彼は心臓病を持っている。
亮賀はもう意識も朦朧としている状態だった。そんな彼の最期を高校の同級生達と彼女の市原未来が見届けている。
未来「逝かないで…」
未来は亮賀の手をぎゅっと握っている。それを見た亮賀の母親は涙を堪えきれず、病室から出て行ってしまった。
ぐすっと周りの同級生達も涙を流し始めた。
亮賀は最期の力を振り絞り、未来の手をギュッと握った。
未来「亮賀!!」
次の瞬間、亮賀の手は未来の手から外れ、パタンとベッドに落ちる。
10月22日2時15分、ご臨終です。
医者がそういうと、同級生達は亮賀のベッドに集まりだした。
皆、泣き喚く。亮賀はたくさんの人に見守られ云った。
未来が廊下に出ると、亮賀の母親が未来に話しかける。
母親「未来ちゃん、ありがとう…亮賀に恋愛を教えてくれて…」
その瞬間、未来は涙が溢れ、亮賀の母親と抱き合いながら泣いた。
未来…ごめん…俺…先に行って待ってるから…
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