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「もちろん…万全だぁ!!!!」
突然ラクノスが大声を出した瞬間地面から大量の白い刃が突き出てきた。
「ガハッ!!!!!!」
飛び出た刃は襲いかかってきていたガーディアンの2人に刺さった。
「クソッ!」
「うおおおおお!!」
相手の魔導師が集中をそらした瞬間、アンディが力ずくでバインドを外した。
「ヒッ!!!」
バインドが解けた瞬間、ラクノスは瞬間転身をして魔導師の前にたち、ロングステッキを喉元に突きつけていた。
「な、なんだよ…お前、成績最低者だろ?なんで…こんな…」
「≪ソウル・デザイト≫、自分の魔力を直接地面に送り、無数の刃を生成する魔法。でもこれは発動までに時間がかかるんだよ。」
「だから、お前らがオレらの会話でイライラしてくれたため時間が取れたって訳よ。」
「でも、≪ソウル・デザイト≫なんて魔法聞いたことないぞ!?」
魔導師の言葉を聞いてラクノスは少し顔を曇らせた。
「いいから、仲間連れてどっか行け。」
アンディがラクノスの心を察したかのように魔導師の男に呼びかけた。
「クソッ!覚えてろ!」
「そんな安い言葉なんていらねえよ。」
魔導師の男はバインドを使いながら2人を連れて出口へと向かう姿にアンディは言葉を吐き捨てた。ラクノスの方を見ると案の定落ち込んでいた。
「そんなにしょげるなって。」
「…あぁ。」
ラクノスの覇気のない返答を聞きながら、アンディはシルレアを助けに行った。
『これはこれは、中々いいものを見せてもらった。』
「誰だ!!!」
突然ダンジョン内に響き渡った声にアンディは戦闘体制にはいった。
『お前、精神攻撃魔法を使えるのか。』
声の主はラクノスの目の前に現れた。
「黒い…影?」
ラクノスは遅れて戦闘体制にはいったが、現れた敵の姿に違和感を感じた。
(この感じ、どこかで…)
「ラクノスッ!!!!」
「クッ!!」
考え事をしていたラクノスだったが、アンディの声によってあと少しというところで黒い影の突進をかわした。
『お前のその力貸せええええ!』
「へ?」
方向をラクノスに向けた黒い影はまたラクノスへと突進する。
「え?ええええええ!?」
攻撃をするでもないその突進にラクノスは恐怖を覚えた。
「ちょっ!くるなああああ!!」
「おいラクノス!?」
黒い影に追われて出てった親友をアンディは見送るしか出来なかった。
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