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―――その出会いは突然だった。
俺は高校を卒業後、免許を取り、足車となるクルマを探していた。
親父に、軽トラに乗って、農業を手伝ってほしいと言われ、取ったMT免許。
最初は、MT車にしろ。
乗れなくなったら、困るし。
ある程度金は出してやるから。
そう言われて、近所の中古車屋に来てみたけど、今の時代に手頃な値段のMT車はない。
他の中古車屋も、2軒、3軒と見てみたけれど、ボロいクルマとか、4WDの車高の高いやつしかなかった。
悪くはないんだけど、あんまり好きじゃないんだよな。
どうせ乗るなら、普通な感じか、カッコいいヤツがいいんだよな。
そんな感じで、いろいろ考えながら見て回っていたら、5軒目でそのクルマに出会った。
“AZ-1”
確か後ろの方に、そう書いてあった。
見た目は少し古臭いけど、丸いライトに、個性的なボディ。
一目惚れだった…。
しかも、値段は50万で安い。
俺は、帰って親に相談して、後日に親父と一緒に行く事にした。
―――そして、後日。
俺は、親父と一緒に中古車屋に来た。
そして、親父に欲しいクルマを説明した。
父「このクルマか??
これは、2人乗りだし。
後輪駆動だから、冬は大変だぞ。
他のにしたらどうだ?」
親父は、困ったように言った。
健介「でも、どうしてもこれがいいんだ。
他にいろいろ見てみたけど、MTで安いのないし。
どうしても、これがいいと思ったんだ。」
ワガママだとわかっていながら、俺は言った。
父「そうは言ってもだな…。」
親父は、困った表情する。
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