ふーこのロマンス

7/36
前へ
/36ページ
次へ
ブラックブラックの楽屋。 コンサートを無事終えて、メンバーが一息ついていた。 マネージャーの佐多が、みんなの労をねぎらって、次のスケジュールを言って楽屋をそそくさと後にした。 「もう、佐多さんが帰ったから、今日はもう何も無いよね」 ホッとしたようにトモが言った。 「でも、佐多さんあんなに急いで、どこに行かはるんだろ…」 「ジュン!女の所に決まってるだろうが。どうせまた若い新人歌手でも引っ掛けたんだろ! まだ、ぼやき聞かされるよりいいじゃん」 オニクが、ジュンの頭を押さえぐるぐる回しながら言った。 「むかちゅく」 ケンのいつもの決まりセリフも飛び出した。 「今日も来てたな!」 オニクがマルちゃんの肩をたたき、耳元で囁いた。 「兄貴! 兄貴もわかったんすか?」 マルちゃんは、オニクの事を兄貴と呼んでいた。
/36ページ

最初のコメントを投稿しよう!

11人が本棚に入れています
本棚に追加