ふーこのロマンス-2-2

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ふーこは、仏壇の母の遺骨の前に座っていた。 すぐ近くにまで来ていたマルちゃんに、再び声をかけられるまで、気がつかなかった。 マルちゃんに気づいて振り向いたふーこの頬には涙の跡が光った。 ふーこは慌てて、涙を拭い 「マルちゃん… ごめんなさい。急に母が亡くなってコンサートせっかく誘ってくれたのに…行けなくて…。」 と、微笑んだ。 「もういい、ふーこさん、そんなにひとりで頑張るなよ! 俺に気を使うな、つらい時は泣けばいい、無理して笑うなよ… ふーこさん‼」 マルちゃんは、そう言ってふーこを抱きしめた。 小さなふーこの身体はマルちゃんの腕の中で小刻みに震えだした。 そして、堰を切ったように涙が溢れ声をつまらせながら号泣した。 しばらくふーこの号泣は止まらなかった。 マルちゃんは、黙ってふーこを抱きしめ続けた。 …私はずっと待っていたのかもしれない… ひとり、強がって肩肘張って生きてきた。 だけど、愛しい人の腕の中で何もかも委ねたいと 広いマルちゃんの腕の中ふーこは初めて、自分の気持ちに正直になれたのかもしれない。 マルちゃんの愛を今、身体一杯に感じていた。 泣き止んだふーこは、自然とマルちゃんの顔を見上げた。 見上げたふーこの顔に自然とマルちゃんの顔が近づく。 ふたりの唇は重なった。 もうふたりの感情を止めることはできなかった。 何度も、何度も激しく唇を奪い合った。 唇を離して、マルちゃんは両手でふーこの頬を挟み 「ずっとふーこさんの優しさに守られて、悪い道に落ちないで済んだ。 だから、今度は俺が守る ふーこ!」
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