ふーこのロマンス-2-2-2

10/40
前へ
/40ページ
次へ
「流衣!離して!」 ふーこは必死で抵抗した。 「お願いだよ、流衣!」 流衣は抱きしめた手をふーこの両肩に置きふーこを見ながら 「あんな若いやつなんか相手にするな。 どうせ、お前なんかすぐ捨てられる! もっと現実を見ろ!」 ふーこは、頭を横に振りながら 「マルちゃんはそんないい加減な人じゃない! 流衣に何がわかるの! あなたは、私を捨てたじゃない!もう終わったのよ私達! 私に指図しないで!」 一瞬、流衣が怯んだスキに、ふーこは流衣を突き放して部屋を飛び出した。 「ふーこ!」 靴も履かず、カバンだけを胸に抱え必死で走った。 流衣は心配になり、ふーこの靴を持って後を追う。 ふーこは振り向くことなく道路に出た。 その時! ふーこの後ろから向かって来る一台の車があった。 少しずつスピードが上がっていく…! 「ふーこ!危ない!」 流衣の叫び声に振り向いた瞬間 まぶしいヘッドライトがふーこを照らし出した! ドスンという鈍い音とともにふーこが車に跳ねられた! 「ふーこ!」 流衣が路上に転がったふーこに走り寄る! 「ふーこ~!」 流衣の叫び声にふーこは答えることはなかった。
/40ページ

最初のコメントを投稿しよう!

5人が本棚に入れています
本棚に追加