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ふーこは救急車によって病院に運ばれた。
息はある…だか意識は無かった。
救急車の中、流衣が付き添う。
流衣はふーこの右手を握りしめていた。
…あの時、無理にでも俺が出ていくのを止めていたら…
ふーこ!あんなやつのために…そんなにあいつの事…
助かってくれ!
俺は、今度こそお前を守るから!
あんなやつに…やっぱり渡せない!
お願いだ!ふーこ!
病院に着くと、緊急医療スタッフがキャスター付きのベッドを用意して待ち構えていた。
素早く、ベッドに移されたふーこ!
病院の中に慌ただしく運ばれた。
流衣がずっとふーこに付き添った。
頭の骨と肩の骨が折れていた。
緊急に手術室に運ばれたふーこ。
手術室の扉が閉まる。
手術中の赤いランプが灯された。
主治医が手術室に入る前、流衣に声をかけた。
「家族の方ですね。頭の内出血は開けて診なければ何とも言えませんが、全力を尽くします!」
「お願いします!
ふーこを!ふーこを助けて下さい!」
流衣はもう祈るしかなかった。
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