シリーズ沙弥香と千鶴子~家なき母子

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(コツコツコツ…) 廃墟になった工場の跡にて… 周囲は真っ暗で、不気味な足音が響いていたのでありました。 アタシと千鶴子は、懐中電灯の灯りをたよりに前に向いて歩いていました。 「ねえ千鶴子。」 「なあに?」 「どの辺りなの?問題の不気味な光が見えたのは?」 「もうすぐ、見えてくるとは思うのだけれど…」 そして、その時でありました。 千鶴子が言っていた問題の不気味な光を見つけました。 問題の光は、アタシと千鶴子のいる場所から500メートル先で灯っているのを発見しました。 「あれなの?」 「そうよ…それよ。沙弥香、気をつけてね。」 千鶴子は、アタシの背中に隠れておびえていたのでありました。 「千鶴子…どうしたのよ?」 アタシの問いに、千鶴子はブルブルと震えながらこう答えました。 「だから…もしかしたら、レイプ魔が…」 「あんたね!!昔のワイドショーの再現ドラマじゃないのだから、もう、千鶴子はテレビの見すぎで怖がりなのだから。」 そんな時でありました。 (ヒュウウウ…) 一瞬でありましたが、冷たいすきま風が吹いて来ました。 同時に、不気味な光はすうっと消えたのでありました。 「ヤダ!!消えちゃったわよ!!」 「えっ?」 「だから、すきま風がふいて光が消えたのよ。」 「えーっ、ヤダー!!」
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