シリーズ沙弥香と千鶴子~家なき母子

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「ねえあなたたち、そんなところで何をしていたの?」 アタシの問いに対して、27歳の女性はとがった声でアタシと千鶴子にこう言いました。 「来ないでよ!!あんたたちはケーサツなの!?」 「ケーサツじゃないけれど…たまたま通りかかって気になったから…それに、子供たちがいるのに、どうしてこんなさみしいところに居続けていたのよ?ダンナはどうしたのよ?」 「ダンナなんかはいないわよとっくに。」 27歳の女性は、ひねた声でアタシと千鶴子に言い返しました。 「そうは言っても…子供たちのことを考えなよ!!学校とか保育園に行かせていないの!?」 「ほっといてよ!!」 27歳の女性は、ますますヤッキになった声でアタシと千鶴子に言い返しました。 「ほっといてよって言われてもさ…」 千鶴子は、かったぬるい声でポツリと言いました。 アタシは、27歳の女性に灯りはどこなのとたずねました。 女性はローソクと答えました。 「ああ、これね。マッチは?」 「アタシがつけるわ。」 千鶴子は、ポーチの中から電子ライターを取り出しましてローソクに火をつけました。 ローソクは、再び小さな火を灯していました。 千鶴子はひとこと「結局はこう言うことだったのね。」と言いました。 その時でありました。アタシはUFJニコスカードを見つけたのでありました。 「ヤダこれ!!UFJニコスカードじゃないのよ…どこで手に入れたのよ!?」 アタシが手にしていたクレジットカードを、27歳の女性は「取らないでよ!!」と叫んだ後に、アタシから取り上げました。
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