シリーズ沙弥香と千鶴子~家なき母子

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「もしかして、ダンナのクレジットカード?」 「うるさい!!」 「どうしたのよ?」 「ダンナなんかカンケーないわよ!!」 27歳の女性は、ますますヤッキになった声でアタシと千鶴子に言い返しました。 母子がいた場所の周囲には、古びた畳が2畳敷いていまして、そこで母子がさびしく身を寄せていたのでありました。 家財道具と言えば、小さなボストンバックひとつだけでありましたので、どれだけ悲しさが深いのかが分かりました。 この時でありました。 4歳の男の子が、板チョコを食べていましたので、アタシはさりげなくたずねて見ました。
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