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マティアの返事を聞くと、二人は並んで部屋を出た。
屋敷を歩く度に昔を思い出し…
初めはマティアはこっそり泣いていた。
セフィーダはそれを見ぬ振りをして何も言わなかったけれど…
今マティアが笑顔で隣にいることがセフィーダの幸せだ。
二人が外に出ると、気配を感じたシルティアが目を冷まし嬉しそうに首を持ち上げてみせる。
二人はシルティアに寄り添うように座った。
静かな時間が流れる。
それぞれの血液がそれぞれの体を巡り乾きを癒して行く…。
こんなとき、セフィーダはつい考えてしまうことがある。
もしも…
もし、シルティアがいてくれなかったら…
そう考えるとぞっとした。
自分もマティアも血を求めて今頃………
「セフィー…」
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