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俺を置き去りに、入宮と刑部のノートバトルは加熱して行く。
何だか見ているのも恥ずかしいので飲みかけのカフェオレを手に取り、読みかけの推理小説を読みに掛かる。
狭い図書準備室に鉛筆の音が木霊する。
そこへガラリと扉が開かれて一人の生徒が入って来る。
言成誠である。
「あ、れ…??」
彼は奇声を上げる。
入って来ておいて自分で疑問を発している。
「どうした?」
俺が取り合う。
暇なので。
「あ、三須くん。
何か今日ね、新しい入部希望者が来るらしいんだ。」
「来て無いな…??
本当か!?」
誰の言い成りにもなる男の子、言成誠
(イイナリ マコト)。
彼は生徒会の下っ端であり使いっ走りだ。
何かにつけて走り回っている。
つまり今日もそのパシリで来た訳だ。
「言成、その情報は確かか!?」
俺は詰め寄る。
正直言って嬉しいのだが、
しかしこの不人気な推理小説同好会に新入部員など来る筈が無い。
「うん、確か…だよ??ねぇ、刑部くん??」
言成は何故だか刑部に縋る。奴もこの話しを聞いていると言う事だろうか。
「言成、下がっていろ。」
「えっ?」
「巻き込んで殺さん自信は無いからな…!!」
うわっちゃー。
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