果てなき最期

5/9
0人が本棚に入れています
本棚に追加
/9ページ
「宇宙からのいらぬ神秘だな」 「そう、ですね。検体の方は何かわかりましたか?」 「わかった…と言うのかな、あれは」  彼は言葉を濁した。あまり好ましくない事実が判明したのだろうか。 「あれは?」 「DNAの配列、人体構造は我々と全くもって変わりない。検体の状態はまるで昨日放り出されたかのような状態だったよ」  そんな綺麗な状態で最期を迎えられるのなら、宇宙で生き、宇宙で果てるというのは、本懐なのかもしれない。
/9ページ

最初のコメントを投稿しよう!