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城の裏手にある高台に咲いている桜の木…代々織田家を見守ってきた…と言うよりかは俺と信長しか知らない秘密の場所…
事あることにそこの桜を見に行くのだが、今日もまた…綺麗に咲き乱れる桜を美しい長い赤髪の女性が一人で見ていたので声をかける…
翔真「軍議に出ずに何をしているんだ、信長…」
信長「ふむ…翔真ともあろう者が見てわからぬとは酔狂な事を…この織田 信長…美しく咲き乱れる桜を見ておる…」
声をかけた俺の方を見ることなく、さも当然の如く言い放つ織田家の当主、信長…
その無邪気な迄に真っ直ぐな所とか愛らしいものであるが…
翔真「状況考えろ阿呆」
信長「イタッ!」
今の俺には一切関係もなければ興味もない事である…
俺の縦落とし(チョップの和訳と思ってください)を頭に喰らい、頭を押さえてうずくまっている信長を暫く見ていると…
信長「…しょ~~~う~~ま~~……」
小刻みに震えながら、怒っているような顔でこっちを見ている信長に俺は真顔で告げる…
翔真「なんだよ?」
信長「なんだよ?ではないわ!この馬鹿者め!一体全体どこの世に主君の頭に縦落としを喰らわせる不忠の者がおるか!」
翔真「裏切って斬られるような世の中、その程度で済んで良かっただろうが…」
信長「良いわけないわ!馬鹿者め!乙女をなんだと思っておるのじゃ!」
翔真「戦場(いくさば)で刀振り回すような奴は乙女なわけねぇだろ」
信長「なんじゃと!そもそも翔真は照利価思(デリカシー)が根本的に足らぬ!そんなんでは一生独り身じゃな!」
翔真「うるさいわ!軍議をすっぽかしてるうつけにはちょうどいい仕置きじゃ!」
信長「忘れている訳ないわ!ただめんどくさかっただけじゃ!」
翔真「なお、たち悪いんだよ!」
この後言い争いが三十分ほど続いた…
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