プロローグ ジュエル アイ

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その瞳には秘密がある。 古き昔…。 その魔女の瞳は左右で色が違った。 左の瞳はルビーのように紅く美しく。 右の瞳はオニキスのように黒く艶めかしい。 左右で違う瞳。 だが、そんなモノは秘密でも無い。 紅きルビーのような瞳に、ある魔術儀式を施すと…。 あらゆる万病や瀕死の重体だろうと立ちどころに治る奇跡のクスリとなった。 古き昔より王達はこぞってそれを欲した。 だが、その秘密すら…。 ある秘密を隠す為の、カモフラージュでしかない…。 右の瞳…。 オニキスのような黒き瞳にも秘密があった…。 その秘密を知るモノは…。 紅きルビーの瞳より…。 黒きオニキスの瞳を欲しがるだろう…。 それ故に語れない…。 まだその秘密すら…。 些細なモノでしかないのだから…。
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