第7話

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「やめろ、やめろよ。同じ養成校の仲間だろ」
　クニはひらりひらりと身体をかわして逃げ続けている。

　ジョージは軽くステップを踏みながら、両拳をあげて顔面をガードしていた。いつの間にか拳には薄手のグローブがはめられていた。特殊警棒で殴りかかってきた相手を、最小のステップワークで避けると、すれ違いざま脇腹に打ちおろすような左ストレートを突き刺した。完璧なタイミングのレバーブローだ。

　男はくの字に身体を折った。顔面ががら空（あ）きだ。つぎは短いノーモーションの右が顎（あご）の横を打ち抜いた。男は腹を押さえた格好（かっこう）のままその場に倒れ、意識を失った。ジョージのボクシングはオリンピックを狙えると噂（うわさ）されるほどの高等技術だった。ジョージが真剣に叫んだ。