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中山和美の復帰でいよいよチアガール同好会が立ち上がることになった。同好会の経費はイザベラの年間推定一億円以上の「お小遣い」から支出され、メンバーは晶子、朋美、イザベラに、和美と彼女がダンス部から勧誘した晶子たちと同じ二年生の沢口舞、吉沢ひとみ、前田美香が加わり、合計七名でスタートすることになった。
初会合兼懇親会が竹虎を貸し切って行われた。同好会オーナーのイザベラがまず挨拶に立った。竹虎も大学いもの大皿を二つ用意して会に参加した。
「わたしは竹村イザベラと申します。チアガール同好会の初会合をこのように開けて、ほんとうにうれしく思います。わたしたちはチアダンスを通して、わが弱小野球部に元気と勇気と、そして勝利を与えたいと思います。野球部は来年夏の甲子園を目指しています。当面の目標は、来年三月にある春季都大会一次予選の突破です。ここで秋葉高校野球部に勝利をもたらす女神となることがわたしたちチアガール同好会の最初の目的です。みなさん、それまでに素晴らしいパフォーマンスができるようになりましょう」
挨拶が終わって、イザベラがペコリと一礼すると全員から拍手が起こった。そして、続いてリーダー兼インストラクターの和美が発言した。
「わたしは中山和美です。同好会のリーダーを務めさせていただきます。チアダンスの基本はリズム感とチームワーク、そして笑顔です。まず、最初のふたつを身に着けるための練習をこれから重点的にやりたいと思います。このメンバーの中で、ダンスの経験がないのは晶子、朋美、イザベラですね、この三人はリズム感をつけてもらうために毎日昼休みにわたしと屋上で基礎練習を行ってもらいます。それからわたしは、舞、ひとみ、美香と四人で秋葉高校にふさわしいチアダンスの振り付けを考えたいと思います。そして、練習は土日も含めて毎日行います。イザベラが学校の近くにダンススタジオを借りてくれたので、普通の日は放課後に、土日は一日中そこで練習ができます。ただ、晶子や朋美は剣道部、イザベラは野球部、そして、わたしと舞、ひとみ、美香はダンス部の練習があるので、それぞれ部活の日はそちらに専念することにして、いつも誰かスタジオにいてチアダンスの練習や振り付けの研究をしているという状態を続けたいと思います」
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