ピアノの下で眠る彼女

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彼女のお気に入りは、相変わらずピアノの下らしい。 秋の終わり。 フローリングの床では冷たいだろうに、バスタオルを一枚、敷いただけでアモロッソと眠っている。 最近では僕が帰っても、アモロッソは顔を上げるだけでお出迎えもしてくれなくなってしまった。 小さな子どもが冷えるのを厭うように、彼女もまた、猫のように丸まる明里の側を離れようとはしないのだ。
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