木菟

4/11
前へ
/47ページ
次へ
私や、多くの友人は、地方出身者がほとんどで、学校が終わるとバイトをし、ギリギリの生活をしていた。 撮影旅行に行く余裕なんて、全くないのだ。 言い訳と言われたらそれまでだが、ついお金があれば、と思ってしまう。 心のどこかに、彼女よりも自分の方が上だ、という気持ちがあるのだ。 私は郵便受けにささったままの封書を手に取った。 そこには、信じられない事が書かれていた。 ――森の洋館で、アルバイトをしませんか? 3日間で100万円の高額バイトです。 ひゃ…100万円!? たったの3日間で!? いや、待て待て。 どうせ、いかがわしいバイトに違いない。 いくらお金を積まれたって、親が哀しむような事は出来ない。 私はその手紙を捨てた。
/47ページ

最初のコメントを投稿しよう!

8人が本棚に入れています
本棚に追加