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「おいおい、彼を怒らせちゃ、まずいんじゃない?」
鳥澤さんが三神さんを心配する。
この二人は友達なのだ。
私には、ちょっと羨ましい。
「…いいの。彼はカトリーヌを殺した犯人ではない。むしろ、次の被害者になりそうで、怖いの。」
三神さんの言葉に、皆驚く。
「あの子じゃないとして、じゃあ誰が!?」
まずい。
芦原さんと声が重なる。
…まさか、彼女が?
確かに、ちょっと胡散臭いかも。
殺人事件を調べてるって口では言ってたけど。
「…何よ?」
芦原さんの目付きが怖い。
「石山さんだっけ?私は潔白よ。貴女だって、私に言わせれば充分怪しいのよ?…大体、貴女はどうしてここへ来たの?」
「どうしてって…自然の中で写真を撮ったりして過ごしたいなあ、なんて。」
嘘をついた。
バイトの事は口止めされたわけじゃないけど、何となく話にくいのだ。
「へぇ?この洋館って、いつも予約がいっぱいで、なかなか泊まれないって、マニアの間では有名なのよ。写真なんて、どこでも撮れるじゃない。なぜ、わざわざここを選んだの?」
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