カードの秘密

2/6
前へ
/47ページ
次へ
カトリーヌの遺体の傍らには、紫色のカードと、変わった形のリモコンが置かれていた。 今になって、どうして? "奴等"の意図がいまいち、よく分からない。 「…終わった?」 あたしが振り向くと、石山は満足そうに微笑んでいる。 「あんた、本当に変わってる。」 あたしは苦笑いするしかない。 「まさか、写真が撮りたくて、殺したんじゃないよね?」 「…多分、普通の被写体に飽きちゃったんですね。非人道的に思われるかも知れないけど、私は純粋に撮ることが好きなだけ…本当にそれだけなんです。」 分かってるよ、とあたしは石山の肩をたたいた。 「あんたを信じてる。…でも、何か隠してる感じもするね。まあ、言いたくないことは言わなくていいさ。…ところで、もう1件、付き合ってくれない?」 あたしは石山と一緒に食堂に戻ると、三神、芦原と合流し、四人でアトリエに向かった。 「…何をする気?」 三神は訝しげにあたしを見る。 あたしはニヤリと笑うと、ポケットから先程拾ったリモコンを取り出した。
/47ページ

最初のコメントを投稿しよう!

8人が本棚に入れています
本棚に追加