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「期限が設定されてないから、何とも言えないけど、それも一理あるわね。…どお?お二人も、協力してくれるかしら?」
三神が、石山と芦原を見る。…否定する理由はないはず。潔白であるなら。
「分かりました。」
石山が頷く。
「芦原さんも、いいわよね?」
石山が挑発すると、芦原はムッとしたが、頷いた。
「…では、言い出しっぺのあたしから、やるわね。」
あたしはコウモリのカードを取り出した。
リモコンに認識されると、キャンバスに黒い点々が。
何となく、絵の形が浮かび上がる。
…人物画、かな?
「次は私ね。」
三神のマムシのカード。
赤い色は、少なめだ。
石山のカードは緑。
ミミズクかな?ジロジロ見るのは悪いかな。
最後に、芦原。
ネズミ…いや、リスにも見えるが、ヤマネという哺乳類だ。あたしと一緒だな。色は…黄色。
「これ、女性を描いたものみたい。髪が、長いから。」
石山がため息をつく。
「一気に5色ついたからねぇ。あとは、結城さんと、風間さんのカードが揃えば完璧だね。」
あたしがそう言うと、三神が首を横に振った。
「気がつかなかったけど、ここにもう1色あるわ。…白よ。」
「うん。目立たないけど、ランプが光ってるの、分かる。」
芦原も同意する。
「風間さんのカードじゃないかな。最初から、色がついてたんだ。」
あたしは目をこする。確かに、白い部分が何ヵ所か見える。
しかし…、
あたしは嫌なことを思いついてしまった。
色…あと、結城の色が入ったとしても、まだ足りなくないか?
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