カードの秘密

4/6
前へ
/47ページ
次へ
「期限が設定されてないから、何とも言えないけど、それも一理あるわね。…どお?お二人も、協力してくれるかしら?」 三神が、石山と芦原を見る。…否定する理由はないはず。潔白であるなら。 「分かりました。」 石山が頷く。 「芦原さんも、いいわよね?」 石山が挑発すると、芦原はムッとしたが、頷いた。 「…では、言い出しっぺのあたしから、やるわね。」 あたしはコウモリのカードを取り出した。 リモコンに認識されると、キャンバスに黒い点々が。 何となく、絵の形が浮かび上がる。 …人物画、かな? 「次は私ね。」 三神のマムシのカード。 赤い色は、少なめだ。 石山のカードは緑。 ミミズクかな?ジロジロ見るのは悪いかな。 最後に、芦原。 ネズミ…いや、リスにも見えるが、ヤマネという哺乳類だ。あたしと一緒だな。色は…黄色。 「これ、女性を描いたものみたい。髪が、長いから。」 石山がため息をつく。 「一気に5色ついたからねぇ。あとは、結城さんと、風間さんのカードが揃えば完璧だね。」 あたしがそう言うと、三神が首を横に振った。 「気がつかなかったけど、ここにもう1色あるわ。…白よ。」 「うん。目立たないけど、ランプが光ってるの、分かる。」 芦原も同意する。 「風間さんのカードじゃないかな。最初から、色がついてたんだ。」 あたしは目をこする。確かに、白い部分が何ヵ所か見える。 しかし…、 あたしは嫌なことを思いついてしまった。 色…あと、結城の色が入ったとしても、まだ足りなくないか?
/47ページ

最初のコメントを投稿しよう!

8人が本棚に入れています
本棚に追加