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「あ、良かったら、私のもどうぞ。」
石山の笑顔が怖い。
(あの事は、内緒ですよ?)
そう言っているように聞こえて。
風間のカードを探すために、彼女の遺体が眠る浴室へ行ったあたし。
そこには、先客がいた。
「何してんの…?」
石山は、管理人さんが被せてくれた毛布を開き、あらわになった風間の顔に、あろうことかカメラを向けていたのだ。
「と、鳥澤さん…。」
突然現れたあたしに驚いたのか、弁解の余地もない彼女は、開き直った。
「実は私、デス・マスクの写真を撮るのが、好きで。」
…はあ?可愛い顔して、急に何を言うの?
「理解出来ないと思います。気持ち悪いって思われても、仕方ないです…でも、コレクションもたくさんあるんです。好きなんです、死に顔が。」
どう反応すべきか。
「確か、あたしの写真も撮りたいって…。」
「はい。ぜひ、鳥澤さんの素敵な死に顔が撮りたいです!!」
目をキラキラさせながら言われてもなあ。
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