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女神の口を発見したというのに、三神の表情が暗い。
無言で白いピアスを手渡された。
「風間さんの…?」
「…地下室にあった。彼女はあそこで絞殺された後、浴室に運ばれ、沈められた。」
三神の口調は淡々としている。
「つまり、風間は自分のカードを使用した可能性がある。わざわざ、彼女を地下室に連れて行った理由、それしか考えられないもの。」
「だろうね。カードは本人しか使えない。風間さんにカードを使わせた後、殺したってわけか。」
あたしがうなると、三神は首を横に振った。
「風間が死んだ原因はね、鳥澤。…風間は、私を殺そうとして、死んだのよ。」
はあ?意味が分からない。
なぜ、三神を殺そうとして、風間が死ぬんだ?
「忘れた?カードの属性よ。彼女は死ぬ少し前に、私に生きて帰れないと脅しをかけた。きっと、彼女が女神に告げた名前は私。…だけど、おそらく彼女は属性の事を知らなかった。…だから、呪いが自分に跳ね返ったのよ。」
三神の属性は爬虫類。
つまり、風間のカードは両性類の属性と推測できる。
相手の属性も調べずに、カードを使うなんて、愚かとしか言いようがない。
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