絶望

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「すみれっ!!!」 父親の声と同時に押し入れの扉が開いた… うそ……見つかった… 「ここにいたのか…こっちへ来い!!!!!」 『きゃっ!!』 髪を引っ張られ、押し入れから引きずりおろされた… 『痛っ!!痛い!!やめてっ!!!』 バタンっ!!! 『………っ!』 すると、父親は椅子を蹴飛ばし、私を床に叩きつけた。 怖い…怖い怖い怖い!! 助けて!!………誰か!!助けて!! 「誰か……誰か助けて!!!!!!」 私が必死に叫んでも、 どれだけ、助けを求めても、誰も助けてくれない… 「黙れっ!!!!」 バキッ 父親から、殴られ口の中が鉄の味に染まり、玄関に倒れた。 痛い…苦しい…怖い 父親がいない時は、母親が父親のようになる。 「なんで!!!???なんで、私ばっかり殴られんのよ!!!あんたが殴られなさいよ!!」 っと……… ここに、私の自由はない。 父親が……母親が……恐怖でたまらなかった。 意識がかすれながらも、私は家から飛び出した。 外は、夜で雨が降っていた。 冷たい…真っ暗な夜。 まるで、私の心のようだ……
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