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私は、ふっと思い出した。
おばあちゃんと砂遊び……話をしたり、浅瀬で水遊び………
楽しかったな…あの頃は、ちゃんと笑えてたな…
太陽が出て、海がとてもきれいに見えた。
『海……きれいだな…』
おばあちゃん…おばあちゃんの世界は、苦しくて、痛い所じゃないのかな…
ねぇ………おばあちゃん………………私も…そっちに行っていいかな…??
死のう…そう思った。
『もう……限界だよ…』
死ぬのは、逃げる…わかってる…でも………とにかく、楽になりたかった。
私は、海の方に向かって歩いた。海は、冷たくて気持ちよかった。
じゃぶじゃぶじゃぶじゃぶ…
塩水が胸のあたりにきた時に……
「何してる??」
低い声が聞こえ、振り向くと、3人の男が立っていた。1人の男……キラキラ光る金色の髪……それが印象的だった…
でも、私は歩みを止めなかった。私は1人ぼっち…もう、楽になりたかった。
足がつかなくなった時……
ドプンッ
私は泳げない…だから、もがくが浮かない。
何してるんだろう……何もがいてるんだろう…何で、生まれてきたのかな……
海の中は、苦しかったが、きれいだった…
沈んでいく海の中で、
あぁ……やっと楽になれるんだ…
薄れていく意識の中でそう思うと、
私は、意識を失った………。
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