1.君との日常

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原因は… もちろん私じゃない。 「…拓…あんた、いつまで寝る気?」 家がお隣さんの幼馴染み、五十嵐 拓。(いがらし たく) 同じ高校に通う高校3年だ。 小学生の頃から、こうしてずっと朝迎えに来てあげてる。 「美優は朝強いよなー…尊敬するわ…」 「さっさと起きなさいよ! もう45分だよ?!」 「分かったよ…」 渋々起きて、起き上がるのを見届けてから私は先に玄関に向かう。 『拓のせいで、私まで今月やばいんだから…』 私の学校は月に遅刻を5回以上すると、反省文を書かされる。 私と拓は、その常習犯。 階段を降りたところで、リビングに拓ママの背中が見えた。 「ママさん、行ってきます!」 そう声をかけると、拓ママは振り返ってにっこりと笑った。 「いつもありがとうね、美優ちゃん… 拓のせいで、美優ちゃんまで反省文書かされてるんでしょ?」 お母さんめ…拓ママに余計な事言ったな… 「いえいえ、大丈夫ですよ! もう慣れましたから!」 「ごめんね…あ、これ。 お詫びにクッキー焼いたから、昼休みにでも食べて?」 「え?!本当ですか?! ママさんのお菓子大好きなんです!!」 「もー、美優ちゃんったら褒め上手ね~」 恥ずかしそうにママさんはそう言うけれど、本当に好きなのだ。 昔、ケーキ屋さんで働いていたらしくよくお菓子をお裾分けしてくれる。
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