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父はお節介なほど世話焼きな性格だった。
その為 友人の幅も広く、今回の事も通達に骨が折れた。
「秋穂ちゃん…だよね。この度はご愁傷様です」
父の知人、と思われるはとに声を掛けられた。
「いきなりの訃報でびっくりしたよ。
あんな元気だった人が…まさか事故なんてクルッポー」
彼は残念そうに首を振る。
私は壁に掛かっていた時計で時刻を確認した。
午後10時ちょうど。
「俺も辰五郎さんにはよくお世話になってね…クルッポー。
1週間前にもクルッポー、電線に引っ掛かってた所を助けて貰っクルッポー」
彼の目にはいつの間にか涙が溜まっていた。
「何で…どうして死んじゃったんクルッポォォォォォォォォォォ!!!」
「鳩島、落ち着け!
1番泣きたいのはきっと秋穂ちゃワオォォォォォォォォォォン!!!」
「犬川ァァァァァクルッポォォォォォォォォォォ!!!」
わんわん鳴き叫ぶ2人を見つけた母は、コップ1杯の水と豆を持って 彼らを奥へと促した。
友人の幅が広すぎる。
そんな父が 私は嫌いだ。
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