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「おいスミノフ!任務が来るまでの一週間は休みで、今はお前の家まで帰るだけじゃなかったのか!?なんでこんなド田舎の森の中で、化物共に撃たれなきゃならないんだ!?」
木の上から魔法を放ってくる化物共に、きかん坊で盛大に爆発する弾丸をお見舞いしながら、拳大の炎の塊で抉られた右脇腹を見る。既に回復し始めてるとは言え、あんな風に一方的に傷つけられて一方的に攻撃されて、満足に反撃出来ないまま回復する身体を見るのは気分がよくない。
「ご、ごめん!これはホントにごめん!前の任務で殲滅し切れなかった残党が、ここまで来るなんて思わなくて!ボクの認識不足だ。魔法陣を展開出来るまで時間を稼げる?」
「稼げなきゃお互い死ぬだけだろ?負けて死ぬなんざ真っ平ゴメンだからな」
【スミノフのうっかりミスは今に始まったことじゃないからね。笑って怒るぐらいの優しさを持たないと】
「それって結局怒るんじゃん!」
【そりゃそうじゃん。スミノフ学習しないだもん。いくらあんな雑魚に負けるほど弱くないからって、気抜き過ぎ】
「お前達が仲いいのは分かったから、きかん坊行くぞ?」
【オッケー、思いっきりぼくをぶっ放してよ!】
嗚呼、全く。今日であの日から三日目。一週間は任務がないからルーマニアにあるスミノフの家でゆっくりしようってことになって、一週間とは言えゆっくり出来ると思ったのに。あの化物共のせいで気分もぶち壊しだ。
まぁいい。これからに向けての予行練習と思っておこう。
背後にスミノフを庇いつつ、化物共にきかん坊を向け、閃光弾を一発。銃声なく発射され、敵の目の前で閃光が炸裂する。戦い方を知らないのに、僕がテンダラーだからなのか、人間離れした戦い方が難なく出来る。身体能力強化されすぎだろ。
三歩と一蹴りで、十メートル先の敵の横に着地する。驚いてる場合じゃないだろ。隙がありすぎだぞ。
まぁ、こいつ等で食事の練習でもしてみるか。小腹が空き始めてきてた頃だし。蜥蜴の化物の喉元に喰らいつき、喰い千切る。
反撃開始だ。
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