魔法少女と機関銃

現に夢を抜かす者と死体

肉を喰い千切り、血の味が味蕾を刺激し嗅覚を刺激した瞬間、吐いた。吐瀉物が蜥蜴の胴体にかかって、蜥蜴が汚ねぇ！って慌てた。

「う”、えぇぇぇ…！まっずっ！クッソ不味い！化物ってこんな不味いのか！？」

【死ぃちゃん死ぃちゃん。いい忘れてたけど、二足歩行の出来る爬虫類型の魔物は大体不味いみたいだよ。オススメは虫型の魔物だって、他のテンダラーが言ってたのを聴いたことある】

「それなら喰う前に言ってくれ！魚の腸が腐ったみたいな最低の味だ」

溢れてくる唾液を何度も吐く。けどなかなか消えてくれない。匂いもまだ鼻腔を刺激してるし、最低だ。

【うわぁ……絶対味わいたくない】

「僕も二度と立つ爬虫類は喰わない」

【それより死ぃちゃん、身のこなし上手いね。スタントマンの経験でもあるの？】

「スタントマンの経験どころか、運動神経悪かったんだけどな」

きかん坊と暢気に話しながら腹を刺そうと襲ってきた虎の爪を、イナバウアーで避ける。その際にバランスを崩して落ちたけど、咄嗟に枝を掴んで反動を利用してくるんと半回転し、元の位置に着地する。
着地の一瞬の隙を狙ってきた八咫烏のような鳥の首を掴み、腹を喰い千切った。

「お、鶏肉美味い」

鶏肉片手にきかん坊を乱射する。てかこの鳥羽根まで美味い。それより、さっきまで苦戦してたのはなんだったんだ？こっちが襲いかかった途端統率崩れすぎだろ。
さっきの蜥蜴が飛びかかってこようとしたけど、恨みを込めてきかん坊で頭部をふっ飛ばした。きかん坊は本当に便利だ。想像しただけで想像した通りの弾丸が発射されるんだから。

【死ぃちゃん死ぃちゃん、後はあそこで気絶してる虎だけだよ】

見てみるとさっき突進してきた虎が、地面に頭をめり込ませて気絶してる。どんな気絶の仕方だよ。

「さあぁぁ！覚悟しろ魔物共！…って、敵は？」

カッコつけて人差し指をビシッとしてるけど、スベった芸人みたいになってる。

【スミノフがもたもたしてる間に、死ぃちゃんが片づけたよ】

「へぇ?死ぃちゃんすごいね。ボクさぼれるじゃん…っていったーっ！？」

「さぼったら喰うぞ」

内臓がはみ出てる鳥の亡骸片手に、脅してみた。