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「遅い…遅すぎる…」
俺は現在四限目が終わった後とある人物に呼ばれて生徒会室前で待たされている。
というのも、ここの生徒会長も俺同様萌やしが好きであり、ここの生徒に広めるために俺と意見交換がしたいらしい。
「まだか…まだなのか…」
時折廊下を歩く生徒が俺をちらちら見てきて何だか恥ずかしい。
俺がイライラに身を任せて生徒会室に入ってやろうかと思った時…
「センパイ、そんなにイライラしてどうしたのですか?」
「ん、先輩…? センパイって俺のことか?」
廊下を歩いていた生徒の一人が俺の目の前に歩いてきて首をかしげてくる。
話しかけてきた後輩らしき生徒は、まだ入学したてで汚れ一つない綺麗な制服を着た普通の女の子だった…ただし猫耳を除く。
「当たり前です! だってセンパイは”あの”異端審問部の幹部さんなんですよね! 有名人ですよ!」
「ちょ…お前生徒会室前で騒ぐな! 役員に怒られるだろうが」
全く…俺は能力者じゃないのに何で幹部なんだって話だ。
つか何もしてねえのに有名っておかしくないか? 何かしたっけか俺?
「ご、ごめんなさい…あ、センパイ! 頼みがあるんですが…」
謝ったと思ったらすぐ本題か。
まぁ面倒くさくなくていいが…つか何で猫耳なんだ?
「どうした? 食堂の場所が分からないなら他の奴に聞け 俺はここに用があるんだ」
「違います! うなぎさんはセンパイに用があるんですよ!」
うなぎさん…?
どう見ても猫だろ。ちっちゃいし猫耳生えてるし。
どこがうなぎだ。
「お前の名前うなぎなのか?」
まさか女の子にそんな名前は付けないだろうと思い聞いてみた。
俺の言葉にうなぎさんは『いや…そんな名前付けるDQNいないですから…』と妙に大人びた口調で返された。
そっちが素か? 一瞬別人だったぞ…
「うなぎさんの名前は海原桐って言うんです あ、センパイもうなぎさんって呼んでいいですよ?」
うなばらきり…まぁ頑張ればうなぎにはなるか。
つか何で俺がそんな恥ずかしいこと言わなくちゃいけないんだ? つか会長まだかよ。
「はぁ…で、うなぎさんの用って一体なんだ?」
俺を異端審問部員と知っている辺りなんとなく予想はついているが…
「単刀直入に言うとうなぎさんを部員に入れてくれないかな?」
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