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「遅くなってすみません真一君…この子があまり乗り気ではなかったので…」
そう言って頭を下げる我が学校の会長。
つかさりげなく俺を名前で呼ぶな。友達だと思われるだろうが。
その横にいる会計はそんな会長を呆れた目で見ている。
「別に気にしなくていい ただそのおかげで変な奴に絡まれたがな」
あの猫耳…頼むから裕也には近づかないでくれよ…。
万一あいつに惚れたら鬱陶しそうだしな。
「ふーん、いい気味よ 女の子なら付き合えばいいじゃない」
さっきから会計の三年生が不機嫌なのは恐らく会長が無理言って残ってもらったからと…あとは裕也に言いよって俺に露払いされたことを根に持っているんだろう。
全く…他にもいい男はいるだろうに何であいつなんだろうか?
「もう! そういうことを言ってはいけませんよ! 真一君だって好きでもない女の子に言い寄られたら困りますもんね?」
「「そう言う問題?」」
思わず会計とハモってしまった。
そもそもそんな話してねえし。
「…とにかく萌やしについて話すのなら要点を込めて簡潔にしてよね」
こいつすげえやる気なさげだな…。
「こほん…真一君に来てもらったのは私の目的のお手伝いをしてもらったからです」
「お手伝い…? どういうことだ?」
あらかじめ萌やしに関することだとは聞いていたので始めっから否定するつもりは全くない。
しかし会計と言ってることが食い違ってる辺り会長は一体何が言いたいんだ…?
「実は…私が会長に就任したときに食堂に萌やし料理をたくさんメニューに増やしたのですがあまり売れ行きが良くないんです」
「そう、元々この話は会計の私に回ってきたんだけどね…元がこの子のせいだし聞いてみたらアンタを呼べってさ」
「ここの食堂に萌やし料理なんてあったのか…初めて知ったぞ」
「「え……!?」」
~キンコーンカンコーン~♪
「あ、予鈴が鳴ったな じゃあ今回の話はここまでで また明日な!」
「え? あ、ちょっと待ってください真一君!!」 「知らなかったのアンタ!?」
後ろで二人が何か言っているが、今はそれよりも少しでも昼飯を食っておきたい。
こいつらのせいで全く飯が食えなかったからな…。
ま、結論を言わせてもらえば結局教室に着くと同時にチャイムが鳴って食えなかったわけだが。
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