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「ん? おお、木崎か お前にさっき客が来ていたぞ 『後でまた来ます』と言って帰ったが」
出席日数が足りず現在ひたすら勉学に取り組んでいるらしい副部長は返事がなかった代わりに魔王様が妙なことを言ってきた。
俺に客? うなぎさんならそう言いそうだし…誰だ?
「それどんな人なんですか?」
「黒のストレートヘアーに緑のリボンが頭についている馬鹿面した生徒会長だな」
「なるほどそれは生徒会長ですね…って知ってたなら最初から言ってくださいよ!」
つかあいつそんな馬鹿面してたっけか?
初めて会った時から天然だとは思ってはいたが…。
「それは君がそんな服装だからだろう? そうでなきゃすぐに帰るとは思えないしね」
「あ、副部長 勉強はもういいんですか?」
俺の考えを読んでいたのか副部長は問題集を閉じ、魔王様に向かってそう言った。
閉じる瞬間チラッと中身が見えたがほぼ真っ白だったぞ…大丈夫かこの人?
「やぁ真一 今日はどんな用事できたんだい?」
「いえ、特に理由はないですが…」
そんなこと言っても向こうは俺が裕也から逃げてきたということは理解しているのだろうがな。
そのニヤニヤ顔をやめていただきたい。
「それにしても…どうして真一のところに会長が来たんだろうね まさか彼女かい?」
「違いますよ…あいつとは前からの知り合いで萌やしについて話し合うんですよ」
「「……あ、そう」」
何だよその冷たい目は…。
どうせマイナーな趣味嗜好だよ。
「そうだ木崎、向こうに来てもらうのも悪いしお前から言ってくればどうだ? どうせお前は仕事しねえしな」
魔王様は俺に部をさぼってよいと許可をくれたようだ。
俺だって主人公狩りなんて進んでしたくねえからな…。
俺は二人に挨拶をして部屋を出る。
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