萌やし好きの結集

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「だが、ほかに話すことって何だ? 俺とお前で世間話でもしようってか?」 確かに会長と俺は”顔見知り”と言う関係なら中学の時からだからそこそこ長いが…。 話すようになったのは去年の就任演説の時からだしな。 「いいえ…折角ですし、かつての共通の友人の話でもしようかと」 「お前…その話を蒸し返して辛くないのか?」 こいつの言うかつての共通の友人…遠世鈴音は二年前に俺の目の前で様々な暴言を吐き、俺を恨み、呪いながら屋上から飛び降り自殺した。 友人…遠世は元々この会長と親友だったらしいが真一に惚れ、それを察した会長が『私から離れて黒井君といてもいいよ』というようなことを話してからは会長の元を離れ、死ぬまでほとんど話したことはなかったはずである。 会長は俺の言葉に柔らかそうな唇を少し噛みしめるが、すぐに笑顔になる。 「…大丈夫 私は自分の言ったことに責任を持っていますから」 「そうか…お前の気持ちは分かったが、俺に死んだ片思い相手の話をしようというのはどうかと思うぞ?」 因みに俺は彼女…遠世鈴音のことが大好きだった。 もちろん告白をしたわけだが…そのせいで彼女が死ぬ原因になったということは誰にも話していない。 流石に会長にも言うわけにはいかないか…。 「え? あ…/// ごめんなさい!! そんなつもりじゃ…単に昔懐かしく過去の話でもと…」 「故人の話を昔懐かしくって…お前遠世のこと忘れてたことあるのかよ…」 「あ…あぅ…ごめんなさい」
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