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虹橋 凌駕は思い出したように
窓のカーテンを開け、
夕暮れの色をベッドに映すと、
私にすぐそばのソファーを勧めた。
「……僕もそっちに移動しよう。
今日は少し体調がいいからね」
と、ベッドから降りる。
立ち上がった凌駕は、
日向とほぼ身長も変わらない。
年子とは言え双子みたいだった。
「……あんま無理すんなよ」
広田に言われると
凌駕は頷き、
私の座るソファーの正面に
ゆっくり座った。
深呼吸し、
咳を1つして、
「……さて。
名前は言ったから……、
次はどうしようかな」
チェスの駒を進めるように、
考えながら凌駕は話した。
で、
「……じゃあまず、
ヒーちゃん、君は……
幼稚園の頃の事、少しは……覚えてますか?」
そう、切り出して。
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