言えないキス

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パーティーはまだまだ終わらない。 「リョウ! ビリヤードやんね?」 「僕、やったこと無いけど」 「じゃ、私が教えてあげる」 それは誘ったレオの声ではなくて、その声に振り向けばサリーが凌の腕に絡みついてくる。 「あのね、サリー。それじゃキューが持てないよ?」 「……それ、ちょっと違うんじゃない?」 「ん?」 「まぁいいいわ」 そう言ってサリーは台の上に座り脚を組んで、 「私がリョウに教えてあげる」 ウインクするのだけど、短いタイトスカートからサリーの太ももが露わになった状態を凌はじっと見つめた。そして、 「サリー、パンツが見えちゃうよ?」 ストレートすぎる凌の台詞に周囲は爆笑し、サリーは顔を歪めた。 「……ちょっと、その言い方はないんじゃない?」 「うん、ごめん。もっと小さな声で言えばよかったね。でも、ここ音楽がうるさいから――」 そんな凌は笑顔のままサリーに顔を近づけて、 「次からはこうして教えるよ」 「――っ!!」 優しい声で耳元で囁くからサリーは身体を硬直させ、顔を一気に赤くした。 「とっ、とりあえず! キューの持ち方からよ!」 台を降りて焦るようにそう言うサリーに凌はニコリと笑って「うん」と頷く。 「手はこう、人差し指をこうして――」 「ねぇ、サリー」 次は本当に耳元で囁くから、サリーの肩がビクリと震える。そして、 「屈むと胸が見えちゃうよ?」 そんな声にサリーは思わず身体を起こしてしまった。
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